2011年12月28日水曜日

フェルナンデーズさんと庭木の枝切り。

庭の木々は2年に一度、伸び過ぎた枝を払わないと繁り過ぎてしまう。で、いつも庭師のフェルナンデーズさんに剪定を頼んでいます。でも去年は暮に寒波がきて、雪が降ったり道が凍ったりで、ぐずぐずしている間に時機を失してしまった。今年こそは切らないと大変なことになる
クリスマス明けの27日、天気もまずまずなので、「今日やりましょう」ということになった。フェルナンデーズさんは朝が早い。8時半に到着なので、低血圧の(宏)も早起きして待機。
伸び放題の白カエデの木。2年間剪定しないとこうなる。















挨拶もそこそこに 、フェルナンデーズさんは木に登る。下の枝まで梯子をかけたら、あとはまさに「ましらの如く」枝から枝へと飛び移っていきます。仕事が快調で気分がいいと、軽やかな口笛も出る。なんか、かっこいいのです。
みごとに剪定された白カエデ。上にいるのがフェルナンデーズさん。
















桐の木を切るフェルナンデーズさん。赤い正ちゃん帽がカワイイ。
















なにしろ我が家の庭には、3階の屋根まで届く桐の木と、3本の白カエデの木がある。これを一人で、しかも一日で切ってしまうのです。片手で身体を支えながら、ノコギリを使う。切った枝を、他の庭木を傷めないように投げ飛ばす。すごい体力です。
その間(宏)と(由)は下で、切られた枝を テラス中央に集め、細枝を払って積み上げる作業。太い枝は薪になるし、細枝は細かく切ってゴミに出す。これを全部ヒトに頼むと費用が倍になるので、いつも二人がんばって労働するのだけれど、そろそろ限界…かも。
直径1cm以下の枝はゴミに出す。枝って重いよー。
















オイルで作動する重ーいノコギリで、枝を細かくカットする。


















枝切りを終えたフェルナンデーズさんが木から降りてきて、 今度は自動ノコギリを使って枝のカットです。太い枝は60cmくらいの長さに、山に積んだ細い枝はみじん切り(?)にして、捨てやすいようにしてくれる。彼の仕事はここまで。夕方4時に終了でした。
でもついでに、 2年前に枯れてしまった桜の木の伐採を頼んでみたら、二つ返事でOK。ひと抱えもある古木を、ほんの30分で倒して、輪切りにしてくれた。すごーい!
縄もかけずに、後ろの梯子で支えて切ってしまった。
















というわけで、今回はスーパー・フェルナンデーズさん大活躍の 巻でした。2年後はもう定年という彼、でもぜんぜん若く見えるし、元気だし。とてもお洒落で、作業中は赤い毛糸帽、仕事が終わるとグレーのベレーをかぶって帰る。ブーツと手袋はお揃いのベージュのバックスキン。次の枝切りまで、果たして彼は現役でいてくれるだろうか?
ところで大量にできた薪と木っ端、これが我々の当面の課題。春までには片付けたいのだけれど……。(由)

2011年12月27日火曜日

一日早いクリスマス・イブ。

今年のバニュー邸のノエルは、24日に旅行に出かけるメンバーが多いので、23日にご馳走を食べることになりました。
ご馳走といっても、フォアグラと鶏のローストが定番で、あとはサラダ程度だから、ふだんのご飯より手がかからない。
マーシュに卵の黄身と白身をのせたミモザ・サラダ。
















オーベルジュ・エチェゴリー特製のフォアグラ。















フォアグラはいつも、どこのを買おうかと迷ってしまう。昔は、13区のバスク料理レストラン「オーベルジュ・エチェゴリー」のアンリさんが、手製のフォアグラを毎年プレゼントしてくれたのだけれど、アンリさんが亡くなってからは、どれを買っても今ひとつ物足りない感じでガッカリしていたのです。でも今年ぐうぜん「エチェゴリー」の前を通ったら、「ノエルのフォアグラ、注文受付け中」と張り紙があったので、直ちに注文。ジュランソンの甘い白ワインで香りをつけたこってり味のフォアグラは、懐かしいアンリさんの味です。
そして、次に鶏のローストの写真が来なきゃいけないのだけれど、鶏を食べ終えるまで、写真を撮ることはまったく頭に浮かばなかった! いちおう文字で説明すると、ランド産の1250gのチキンに玉ねぎとマッシュルーム、栗、鶏もつ、砂肝を詰めものにしてオーヴンで焼いたもの。6人分にはちょっと小さかったかなー。
ノエルのお菓子は定番のビュッシュ・ド・ノエル。















そしてデザートはもちろん、ビュッシュ。これもフォアグラと同様、毎年おいしいお菓子屋を求めて遍歴しているのですが、今年は14区アレージアのそばの「Aux Delices des Anges 」に注文。近ごろ流行りの気取ったパティシエじゃなくて、素朴なふつうのお菓子屋さんだけど、味はとってもいい。チョコレートクリームの中にふっとパッションフルーツの香りが漂って、甘すぎず軽い仕上がり。来年もここにしよう!
ケーキにはシャンパンだ。イエーイ。















最後はシャンパンで締め。今年もみんな元気でおいしいご馳走を食べることができて、よかった、よかった。(由)

2011年12月23日金曜日

ゴブランのおっさん食堂。

ポール・ロワイヤル大通りにちょっと気になるワインバーがあったので(宏)と一緒に行ってみたら、昼の早い時間なのに「予約で満席です」と断られた。そんなに人気店だった?
で、しかたなくゴブラン大通りをイタリー広場方向に歩いていきました。右手には国立ゴブラン織り製作所。
立派な建物。水、木、土、日の午後に工場見学もできます。
















そうだ、この横の路地に定食屋があったはず。大通りを左に曲がったヴェロネーズ通りに、思ったとおり「Le Percheron」の看板があった。むかーし食べたい店リストに載せていたけれど、食べないままになっていた店です。
昼定食14.50ユーロの看板がやけにデカイ。
















パリとは思えない、この慎ましい外観。なんかおいしそうに思えますね。で、さっそく中に入ると、店内も田舎っぽくて地方の宿屋の食堂みたい。
お客サンも地方在住という雰囲気。年齢層も高い。

















2品で14.50ユーロの定食。(宏)は前菜にブルーチーズと梨のフィヨテ、メインに鹿の煮込みグリヨット風味を取りました。私は前菜がエスカルゴのニンニクソースで、メインが本日の料理の白ブーダン。料理名だけ見ると、なんか凝った料理に思えるけど、とても家庭的な味で悪くない。
鹿のcivet。サクランボの酸味が鹿の臭みを消している。
















私の白ブーダン。最近はあまり見かけない料理だけど大好物。















白ブーダンは、黒ブーダンと違って血は入っていない。白い肉とクリームで作られていて、ノエルの季節の食べものだそうです。
この店、味的には問題ないのだけれど、じつはサーヴィスがすごく遅くて、2品とコーヒーだけで2時間もかかった。そんなに客数も多くなかったのに。残念。

汗をかいて飛び回っているご主人の見事なカイゼル髭と、花の代わりに金魚が泳いでいるテーブルの花瓶が印象的でした。(由)
最初はプラスチック製の玩具かと思ったら、生きていた。

2011年12月5日月曜日

ソー公園では、並木の伐採作業。

霧雨に濡れて墨色の景色だった先週とはうって変わって、今日は久しぶりの晴天。ソー公園に行ったら、並木の枝払いをしていました。
消防のはしご車みたいな伐採専用車。一度登ってみたいな。

















見上げるような木ばかりだから、 伐採も簡単にはいかない。専用のはしご車が(たぶんヴェルサイユから)来て、まわりに紅白テープを巡らし、通行止めにして作業です。
よく見えないけど、ちゃんと作業員がいるのです。

















あ、のんびり見ている場合じゃなかった!  ウチも庭師のフェルナンデーズさんに連絡して、白カエデと桐の木を剪定してもらわなくっちゃ! 木の葉がすっかり落ちて枝が裸になる今が、木を切るべき時期なのです。(由)

2011年12月2日金曜日

レ・アルの改築工事。

久しぶりにレ・アルに出たら、改築改装工事で、フォラムも公園も塀に囲まれている。天気のせいもあるけど、寒々しい風景。
ランビュトー通り。















塀の看板は,《ランビュトー通りの商店・レストランは、工事期間中も営業しています。》でも、たぶん客は減ってるだろうね。

塀の間から覗くと、取り壊された瓦礫の山。
廃墟状態です。
















フォラムのランビュトー入り口は開いていた。取り壊し中の工事現場に真っ暗な入口です。
ランビュトー口。

















でも、下へ降りるエスカレーターは閉鎖中。テラスの向こうには大きなクレーン。フォラムの商店街もずっと営業すると書いてあるけど、当分は工事現場商店街なんだね。
向こうに商品取引所の円屋根。右にサン・テュスターシュ。
















それにしても、バルタールが設計した中央市場(レ・アル)の壮麗な建物を壊して70〜80年代に造られたフォラム・デ・アルは、30年経たないのにお払い箱デアル。隣のサン・テュスターシュ教会は16〜17世紀、商品取引所だって、19世紀初めの建築だというのに。
このフォラムの改築。ほんとは来年開催するつもりだったオリンピックに合わせての計画だった。工事の塀に、 国際コンペで選ばれた David Mangin の完成予想図があった。
向こうはポンピドゥ・センター。

















今の地下商店街や駅の大部分をほぼそのまま使うという、5つの案の中でいちばん安上がりで抵抗の少ない案だそうで、そのぶんつまらない? かも。地面の穴から色鮮やかな塔がタケノコみたいに伸びるというコールハウスの案なんかに決まっていたら、賛否両論で、エッフェル塔、ポンピドゥ・センター以来の騒ぎになって、おもしろかったかも。
完成は2016年と塀には書いてあるけど、誰も信じていないよね。フランスだもの。(宏)

2011年12月1日木曜日

ブダペスト通りのポルトガル食堂。

サン・ラザール駅の近くに、ややうらぶれた、でもちょっと感じのいいガイコク食堂街をみつけた、と(由)がいうので、行ってみました。Fedex から日本への原稿を送るついでの寄り道です。
入口に2つのアーチがあるブダペスト通り。
















200メートルほどの通の両側は、気楽そうなレストランが並んでいる。なるほど、そのほとんどが異国料理店・・・・。
トルコと青島。










『カルネ・ド・ヴォワイヤージュ』は中華屋さん。











『モロッコの村』はクスクス。











そしてレバノン。












これは食えないね。










『ラップンロール・スシ』????







































で、入ったのは入口近くのポルトガル・レストラン『ベレム』です。


奥行きが深くて店内は薄暗い。

















メイン+付け合わせの一皿に、前菜かデザートかワインのうち1品を加えて 8.50ユーロの定食。ぜんぶまとめて取っても10ユーロをたいして超えない。メインや付け合わせは、並んでいる実物から選んでチンする方式だけれど、どれも手作りっぽくておいしそう。

(宏)が取ったのは小イカの炒め物に野菜。











(由)はお得意の干ダラ料理。マッシュポテト添え。





















料理も、主人もお兄さんたちも、やさしく素朴で、まさにポルトガルのオジサン食堂でした。(宏)





2011年11月21日月曜日

黄葉も終わって、落葉との戦い。

2週間前にソー公園に行ったときは、みごとな黄葉だったポプラ並木が、
運河沿いのポプラ並木。右上の尖塔はソーの町の教会。

















今朝行ってみたら、すっかり葉が落ちて冬景色になっていました。おまけに霧も出て、寒そう……。
もっと寒くなると、運河は凍ってしまう。とてもきれいです。

















わが家の庭も、毎日落葉が積もって(宏)が必死にお掃除しています。 昨日の日曜は天気もよく、あまり寒さも厳しくなかったので、ずっと気になっていた車庫の屋根の葡萄の葉を掃除することにしました。放っておくと、腐った葡萄の葉と実がヘドロのように溜まって、屋根のトタンが腐食してしまう。ゴム手袋とデッキブラシ、ゴミ袋も用意して屋根に這いのぼります。
葡萄の蔓に引っかかって積もった枯葉。後ろ向きは黒猫のヨル。

















あーあ、いつものことながら、ため息の出る量の落葉です。でも今年は葡萄狩りのときに、奈緒子さんとミツルくんが残った実をしっかり片付けてくれたので、ヘドロの量が少なくて片付けがラク。ありがとうね、二人とも。 黒猫のヨルも、なんだかおもしろそうと思ったのか、屋根に登ってきてる。
まもなく終了。ほーら、こんなにきれいになったよ。

















途中から(宏)も参加して、ほぼ2時間後には 片付けが終わりました。50リットルのゴミ袋が4つ。暖炉の煙突掃除も終わったし、今年の冬支度は順調。(由)

2011年11月7日月曜日

カンティーヌ・デ・トントン。

ほそきさんとあきこさんが一時帰国する間、クロネコの盃の給食を、やはりクロネコを飼う黒猫同盟のアキさんとウチが引き受けました。ほそき家のカギを預かるために、アレジアのビストロに行ったら、土曜日で満員。隣のムトン・デュヴェルネに気になるビストロがあったのを思い出して行ってみた。
 で、たしかこの辺、と入ったのがこの店「カンティーヌ・デ・トントン」。
さりげなくていいかんじ。











ちょっとレトロな店内もさりげなくていいかんじ。






















で、料理の皿を持ってる人にあいさつしたら、それは客。??と思っていたら、奥から現れた主人が「ここは飲み物以外、すべてセルフ・サービスの食べ放題。家で食べるみたいにね」。
前菜。20種類くらいある。
















店の中ほどの棚に前菜がずらり。隣のフタをした大きな2つのプレートがメイン。それにデザートが10種類ほど。ほそきさんは前菜をあれこれ盛り合わせて、「あれ、ハムなんか取っちゃった。ふつうレストランじゃ取りませんよねー」。
牛肉のオリーヴ煮込み。
















今日のメインは 、牛肉のプロヴァンス風煮込みと、太くて大きなソーセージの茹でたの。両方取って(由)と分けたら、ソーセージはアンドゥイエット(内臓のソーセージ)だった。アンドゥイエットは茹でずに焼くのがふつうで、これはあまりおいしくナイゾウ。ウシ肉の方はまぁいいんだけど、作り置きで生ぬるい。
同級生のグループみたい。

















ほそきさんは「これでいいんならボクでもできますね」。いやいやほそきさんには出来ません。どうしたって、もっと美味しく作ってしまうもの。
それでもいつの間にか店は満席。ひたすら食うぞ、という若い人たちにはこれでいいんですね。一人23ユーロ。美味しくなかったけど、おもしろかった。(宏)

2011年10月30日日曜日

夏時間から冬時間へ。

10月29日(土)の夜から30日(日)の朝のあいだに1時間増えて、フランスは冬時間になりました。具体的な手続きでいうと、30日の午前2時に時計の針を1時間もどす。日本との時差は8時間となったわけです。
1時間よけいに眠れるはずだったけど、(由)は「スケート・カナダ」の実況中継を2時(つまり今までの3時)まで見たので、あまり得した感はなかった。
黒猫のヨルとハルは、ただでさえ冬を前にお腹が空いているのに、餌の時間が1時間遅くなって「わけわかんない」という顔。

冬、というにはまだ暖かく、過ごしやすい陽気ですが、庭の木々はすっかり色づいて、雨のあとは落葉がたくさん。(宏)が必死にお掃除です。
おいしい実をつけたアンズも今はすっかり黄葉。先だけほのかに桃色。

















実のなる木も花を咲かせた木も、一年の営みをほぼ終えて、来春のために冬ごもり態勢に入っています。
フランスには紅葉する木が少ないけれど、このツタは見事に紅い。

















人間も、カーテンを洗って、煙突掃除を頼んで、薪を運び込んで、 冬支度にかかりましょう。(由)

2011年10月20日木曜日

秋晴れの結婚式

築80年の老朽家屋「バニューの宿」が、かつてない(たぶん)晴れがましいイベントの舞台となりました。
この家に11年暮らした稲葉家の長男、文生くんの結婚披露パーティーがここで行われたのです。
式は、彼が14歳まで生活し、今も新婦の奈緒子さんと住むアントニー市の市役所で 挙げられました。
市長代理を務めるのは、駅前通りのCafé du Sportの女主人さん。















結婚証明書にサイン。使ったペンは後でプレゼントされる
















式の後バニューに移動して、 みんなで乾杯! さいわい雲ひとつない秋晴れで、午後には気温も上がり、絶好のガーデンパーティー日和。家は風船とレースで飾られ、見違えるほどカワイイ……。
シャンパンで乾杯! なんだか皇族みたいだね。















参加者は50人近かったらしい。晴れていてよかった!
















 ウェディングケーキは、2人の親友ミツルくんが何週間も前から準備し、当日の明け方5時まで奮闘して作ってくれた。
Pieces montéesです。マジパンのバラも手作りだよ?
















(由)は散らし寿司と、おめでたい赤ピーマンの握りを制作。


















赤ピーマンを焼いて土佐酢に漬けて握った(由)のお寿司もなかなか好評だったけれど、この日のご馳走でいちばん受けたのは、隣町のカレー店から出前してもらったエビ、ホウレンソウ、羊のカレーでした。
パリのカレー専門店よりおいしいし、少量でも出前してくれる。















文生を子供のころから知っている写真家の ユタカさんが、公式カメラマンを務めてくれました。ありがとう、ユタカさん。(由)
2日後に日本に行くというのに、風邪をおして来てくれた。















さすがプロ、なのです。