2011年7月22日金曜日

クルド料理の店で仔羊の腎臓を食べた。

ヴァカンス前に取材を済ませておこうと思って、(宏)と(由)はサンマルタン運河のそばの南西料理屋さんに出かけて行ったのですが、ちょうど運河の橋の上で一天にわかにかき曇り、撮影はどうも無理そう。で、急に行く先を変えてバスチーユへ。
Ledru Rollinの辺りでご飯を食べようとウロウロしていたら、クルド料理店がありました。パリには、トルコ料理店は掃いて捨てるほどあるけど、クルド料理レストランは、これまでモントルグイユ街の横にある店1軒しか知らない。ヨーグルトや白チーズを多用したヘルシーな味が懐かしくなって、その店に入ることにしました。
店の名前は「Menekse」。「スミレ」という意味らしい。2区の店よりちょっとおしゃれっぽい雰囲気なのは、場所柄かな。クルド料理はトルコやギリシア料理によく似ていて、タラマやウモス、ムサカなんかが食べられます。でも私は昼のメニューの中に、「乳飲み仔羊の腎臓炒め」 を見つけてしまった!
ただ塩味でさっと炒めただけの腎臓。うーん、おいしい!

















コロンと小さい腎臓が14個も皿に乗って、挽き割り小麦と生野菜サラダが添えてあります。腎臓はたいして羊臭くもなく、さっぱりと食べやすい。
(宏)は冒険をせずに、王道の「ナスの挽肉詰め」 。きれいに盛りつけてあり、チーズとトマトソースが絡んだ優しい味。トルコやギリシアの脂っぽい感じはありません。
こちらも挽き割り小麦添え。ソースと混ぜて食べるとおいしい。

















ここは11区のPassage de la Main d'Or 。他にも コルシカ料理店、すぐ先のrue Main d'Orにはオーヴェルニュ・レストランもあって、安くておいしい店が集中する通りです。(由)
インベーダー+雷雲の落書きがかわいい。クルド料理店はその角。

2011年7月18日月曜日

庭のクロタネソウのこと

5年前に、里子とモロッコ旅行に行きました。マラケッシュからアトラス山脈を越えて、砂漠の町ウアララザットへ。
フランスで募集したツアー旅行だったので、どの町でだったか忘れたけど、むかし風の香料屋兼薬局みたいな店に連れていかれて、お土産を買わされた。みんなバラ香水とか買っていたけれど、私は少しでも役に立ちそうなもの、と思って、咳や喘息に効くという漢方薬みたいなものを買いました。ちょうど風邪気味だったし、バラ香水よりはずいぶん安かったのです。
たしか10ユーロはしなかったと思う。でも以後ずっと使ってない。












ところで、5月14日のブログに写真を載せた我が家の庭のクロタネソウ、花も終わり風船のような丸ーい実を結んで、それが茶色に枯れ、種を飛ばし始めました。
宇宙ステーションみたいな、未来的なかたちです。

















「ウチにも植えたい」という人がいたので実を集めて種を取ったら、あれれ?
庭の種をぜんぶ集めたら、ウチも薬局が開ける。
なーんだ。あの咳の薬は、ただのクロタネソウの種だったのでした。わざわざ北アフリカから買ってきて損した。 
ちなみに使い方は、種を擦りつぶしてガーゼに包み、鼻に当てて吸い込むのだそうです。 (由)

2011年7月16日土曜日

また、パリの落書き。壁のじゃない編。 

ラクガキも壁にあるとは限らない。歩道にも、そして・・・。
『ラスト・タンゴ・イン・パリ』の舞台だったビル・アケム橋。6号線のメトロの高架線下の黄色いハートは、“キミ自身を好きになれ!”だって。
ほんとは自転車専用道路です。

















5区エコール・ノルマルの前の歩道には、
なにかのグループのロゴかなぁ。
















そしてベルシーの財務省下のベンチ。 周りの歩道にも同じものがたくさんあったけど。
2012コワくない。大統領選挙のことだ。
















ラクガキじゃないけれど、RERの電車に、イスラエルのボイコットを訴えるこんなシールが貼ってあった。
ガザを忘れるな! 下は電車の車両番号です。

















で、これ。 13区の中華街にあった“フォンテーヌ・ワラス”です。共産中国の自己主張? アンチ中国政府のデモンストレーション? それともただのいたずらパフォーマンス?
ふつうは濃紺か濃緑色です。(宏)











2011年7月9日土曜日

バスティーユの路地めぐり。

バスティーユ広場とその東側一帯は、車も人も多くてなんとなく埃っぽい。家具屋と安めのファッション店,飲食店が並ぶフォブール・サンタントワーヌ通りも、?なスシ屋の多いロケット通りも、排気ガスいっぱいで歩いてあまり快適とはいえない。
でも、通りに面した入口をくぐると、静かな路地がいくつもあって、表の喧噪がウソみたいな気がします。今回は、必要あっての確認取材がてら、その中のいくつかを巡る下町散歩です。
バスティーユ広場の北側に2軒の大きなカフェが並んでいる。そのテラスの間の門をくぐると、「クール・ダモワイエ」。クールと名が付いているけれど向こうのダヴァル通りに抜けられる私道です。奥のほうにお茶やコーヒー豆を売る小さなカフェがある。広場のカフェよりこっちのほうがいい感じだと思うんだけど、いつ見てもひっそり空いてるんだよね。
cour Damoye
















広場の東、ロケット通りが始まる角から入るのが「パサージュ・デュ・シュヴァル・ブラン」。以前は大きな材木問屋や家具倉庫があったところで、路地というにはかなり広めの道に、18〜19世紀の大きめの建物が 並んでいる。枝分かれした袋小路はクール・ジャンヴィエ、クール・フェヴリエ・・・という名前。創業100年以上の金銀細工屋や照明器具屋、エベニスト(高級家具作り、木工細工職人)の工房もがんばっているけれど、建築やデザイン事務所、ウェブ関係のアトリエが目につきます。
passage du Cheval blanc

















王制時代から家具職人の街だったというフォヴール・サン・タントワーヌ通りの裏手には、職人の工房が集まっていた路地が無数にある。「クール・デュ・ベレール」は、その名の通り、葡萄や藤の緑につつまれた気持ちのいい中庭。田舎の旅籠みたいな家に、伝統家具の修理屋もあるし、注文制作のデザイン家具のショールームなどがある。
cour du Bel Air

















隣の「パサージュ・デュ・シャンティエ」は、いかにも下町らしい雰囲気の抜け道。入口付近には昔ながらの家具屋が並んでいます。でもここも奥のほうには、ヴィトラなどのデザイン家具と雑貨のセレクトショップや、代官山か京都にあるみたいなカフェが出来ていた。
passage du Chantier


















ルドリュ・ロラン駅寄りにも、静かな「クール・ド・レトワール・ドール」、ガラス屋根のある「クール・デ・シャドック」.1軒の家具屋の工房と展示場が占めている「クール・デ・トロワ・フレール」・・・と、雰囲気の違ういくつもの路地が続いています。
cour de l'Etoile d'Or













cour des Shadoks












cour des Trois Frères












cour de l'Ours































「クール・ド・ルルス」の壁には、古い家具屋の看板の一部が残っている。
フォブール・サンタントワーヌ通りから北東に伸びるシャロンヌ通りは、どう見ても車の排気ガスが漂っているというのに、なぜか通りに並ぶビストロのテラスがいつも賑わっている。パリの若ものって(若くなくてもかな)、どうしてこういう場所が好きなんだ?
古い路地裏の職人街の雰囲気を色濃く残しているのが、このシャロンヌ通りから入る「パサージュ・ロム」です。
passage Lhomme

















裏通りの静かな空間に入ると古い家具の街の空気をかぐことがことができる。家具職人のアトリエはずいぶん減っているのだけれど・・・。(宏)