2012年5月29日火曜日

初夏の青空、のみの市。

5、6月の週末は、パリ市内でも郊外でも、あちこちで骨董や古道具の青空市が開かれる。今年は5月になっても寒い日、雨の日が多くて今ひとつだったけれど、ようやく初夏らしい陽気になって、毎日曜は散歩ついでの青空市巡りです。
まずは13日の午後、隣町シャティヨンへ行ってみた。
教会から市役所にかけての一帯が会場です。

















新しい建物の多いシャティヨンの駅から離れた旧市街が会場。アンティキテ(骨董市)やブロカント(古物市)ではなく、屋根裏部屋を空にするという意味の、ヴィド・グルニエ(Vide greniere) で、町の人がいらなくなった物を並べる大型ガレージセールみたいなもの。プロの業者の姿がほとんど見当たらない。…結果、ほとんどロクなものがないのだけれど、欲張らずにのんびりひと回り。
古い黒板、卵立て、薬のカン、合わせて3.5ユーロ。

















小学校でふつうに使われていた小さなスレートの黒板は、今もモノプリでも売っている。卵立てはあっこさんが集めているので。手前の2つの卵立てはスロヴァキア製だった。

 先週行った14区トンブ・イソワール通りの市は、昼過ぎににわか雨が降ったせいか、プロの業者がほとんどいないし、スタンドの数も思ったより少ない。

去年はもっといい物があったような気が・・・。











底が深いのが気に入った。1ユーロ。





















で、買ったのは残り物を入れるのに便利そうなこの白い器だけ。
通りのカフェでひと休み。 60年代の安っぽい内装のいかにも地元風の店で、コーヒーがテーブル席でも1ユーロ50だった。エライ。
おぼつかない足どりのおじいさんも常連。











床のタイルがいい。






















昨日の日曜はやはり隣町のフォントネー・オ・ローズ。ここもヴィド・グルニエだけれど、規模が大きく、今までなかなかいい物に出会っているのです。

売っている人のセンスがいいといいものがあるみたい。































ぎっしり並ぶスタンドだけれど、圧倒的に多いのが、子どものおもちゃ類、それもプラスチック製、そしてゲーム類。そして洋服です。
肉料理用食卓ナイフを見つけた。

















里子が欲しがっていた肉用のライヨールのナイフセットを5ユーロで手に入れた。それにまたまた卵立て。
こんどはイタリア製。50サンチーム。

















それから、古いブリキの玩具専門のスタンドで見つけた、昔のプロテージュ・カイエ。教科書やノートを保護するためのブックカバーです。今は1冊1冊にビニールカバーをかけるのが新学期のお母さんの大仕事。この昔版、裏表紙にはフランス地図、見返しには歴史上重要な日、フランスのおもな河川、かけ算の九九、筆記体のお手本などが刷られている。(宏)
1枚2ユーロだった。
 
見返し(下)と裏表紙。A5版です。

2012年5月9日水曜日

細木さんの大きな木とエマニュエルの陶作品展。

細木さんの不定期画廊“ROOM"で、エマニュエルの個展のヴェルニサージュがあるので、(由)と(宏)、それにあやかさんもいっしょにジャンティイに 行きました。
細木さん当人も、同時にジャンティイの別の場所で作品展示している。それもこの日と翌日の2日間だけというので、まずは細木展へ。会場は町の中心部にある大きなワイン・カーヴです。
細木さんの作品は高さが5m以上ある。












薄暗いワイン倉庫の奥に組まれた仮枠に、大画面の油絵が掲げられている。近くの公園の木を分割して、3年前からほぼ原寸大で描き続けている作品。まだ全体の4分の1にも達していないという未完の大作だけれど、季節が違う部分の絵が隣り合って、不思議な効果が生まれている。




















描いている時点での、絵に対する考えの違いも感じられます。












細木さんが仲良しのワイン屋さんの好意で実現したこの展示は、細木さん自身、初めてこうして全体を見ることができたそう。アトリエでは3枚づつくらいしか並べることができなかったという。まだ当分先のことだろうけど、完成したとき展示されるのはポンピドゥ・センターかルーヴルか、ですね、きっと。

で、エマニュエル展へのお土産にワインを1本買い、雨の中をROOMへ向かう。途中の公園に細木さんの絵の木があるというので、ちょっと寄り道です。
パブロ・ピカソ公園の細木の木。たぶんナラの一種。












 さて、エマニュエル展の会場ROOMです。











東京芸大の大学院に留学してカッパの絵を描いていたこともあるエマニュエルの作品は、いつも自由闊達。今回は絵はなくて、田舎のアトリエに築いた窯で焼いた陶の作品たち。どの作品も見る角度でいろんな表情がある。
エマニュエル。












とくに、どこかユーモラスな、そして子どもの作品のような無邪気さが感じられるものが好きです。
ブタ? イノシシ? マンボウ?













ジャンティイにはポルトガル人が多いらしく、ポルトガルの総菜屋、パン屋、レストランがたくさんある。帰りにピカソ公園のそばのポルトガル料理屋で、現地っぽいごはんを食べました。
アサリとブタ(手前)、干ダラとジャガイモの炒め物。













細木さん、エマニュエル、ごくろーさまのありがとう。
ところで、やっと大統領が変りますねー。(宏)