2013年2月14日木曜日

かわいいショコラとショコラティエ。

アントニーのトマとノリコさんが、チョコレートを持って来てくれました。シンプルな箱(バロタン)にいっぱい詰まったショコラは、ふつうのボンボン・オ・ショコラより薄くて小さめだけど、繊細な味でほんとにおいしい。最近アントニーの朝市に出るようになった若い女性のショコラティエが,自分で売っているという。
いろんな顔のショコラたち。
















タイムやバジリコ、ラヴェンダーなど、それぞれの風味が自己主張しすぎずに香って、なによりチョコレートそのもの味がいい。質のいい原料を使っているしょうこら、です。 ちょうど(由)が一時帰国するのでお土産にいいかなとアントニーに行ってみました。広くて明るい市場の一画に「ティフェーヌ・コルヴェス」のスタンドがあった。

Tiphaine Corvez は1988年生まれ。

















コメルス・エキタブル(フェア・トレード)やビオに賛同し、自然でおいしいものを作るというティフェーヌ。寒いのにとても爽やかな笑顔で「私も9月に仕事で東京に行きます」だって。隣町ソーのパトリック・ロジェみたいに有名になっても、高級宝石屋みたいにはならないでね。(宏)

2013年2月13日水曜日

Le Cigale で KPP。

寒い日曜の夕方、雪が舞う中をモンマルトルの麓ピガールの劇場「ラ・シガール」へ。1887年に開場したというこの劇場、ミスタンゲットやシュヴァリエが歌いコクトーの芝居も行われたという歴史ある場所です。
フィリップ・スタルクのデザインで改装されている。

















1987年に改装されているけれど、歴史記念物に指定されている内装は19世紀末の姿が遺されている。
柱や天井にネオ・バロック装飾。

















改装後はリタ・ミツコなどが出演するクラブになり、数年前からはロック中心のコンサート会場として使われています。
座席が取り払われた階下はファンの熱気で沸き返っています。

















ミューズ、ジェフ・ベック、オアシス、ノラ・ジョーンズ、レッチリ、イギー・ポップ、プラシーボ、クラプトン、コールド・プレイ……と並ぶ出演者たち。
で、この日は、元気いっぱいの「きゃりーぱみゅぱみゅ」でした。(宏)


2013年2月6日水曜日

気候が不順?

日本では、5月の気温になったり雪が降ったり、ずいぶん目まぐるしい気候の変化のようだけれど、ここフランスもかなり不順。
先週土曜日には、ポカポカ陽が射したと思ったら、急に暗くなって雹が降った。庭が真っ白になりました。
今回は粒が小さかったけど、大粒だと新芽が傷んで被害が大きい。
日曜は朝焼けがすごかった! こんな真っ赤な朝焼けってなんか不吉な前兆?って思ってしまうのは、小学校のときに「島原の乱のあった朝、東の空が真っ赤に焼けて……」という記述があったのを、未だに覚えているから(…って何年前の話だ)。
朝ごはんの準備をしながら東の空を見るのが好き。
ところでお天気とは何の関係もないのだけれど、(由)は昨日「Les betes du sud sauvage(Beasts of the southern wild)」という映画を見に行きました。批評が良かったので気になっていたのに、なかなか時間が合わなくて見られなかった。アメリカ映画だけれどインデペンデント系無名の監督なので、日本では公開されるか? でも機会があったらお薦め。(由)はとても気に入ったので。
南部のラグーンみたいな湿地帯で、泥と水と廃材に囲まれて生きる女の子の話。エコロジーっぽくもあり終末っぽくもあり寓話風でもあり。ハリケーン・カタリナや日本の津波被害を思わせるリアルな映像もあると思うと、氷山が溶けて、牙の生えた黒豚マンモス風の山神が現れたり。ジャンルを決められない映画だって、仏・米の批評家はとまどっていたようだけど、これって日本のアニメやマンガに親しんだ者には違和感のない展開だよね。主役の女の子はナウシカを思わせるし。いつも泥まみれで手づかみで鶏むしって食べて、「きったなーい」って思っていると、最後に急に感動してしまうのです。(由)

2013年2月2日土曜日

タイルの床、モザイクの床。

先週、ヴァヴァンの小さなイタリアレストランに入ったら、古いカフェをそのまま使っていて、床のタイルがきれいでいい感じだった。こういう古い床をそのままていねいに使っている店は、それだけでも信頼できる気がする。
錯視で立体的に見える。

















翌日、『神様たち』という特別展を見に入ったプチ・パレの床は壮麗なモザイクタイル。数年前の修復で見違えるほどきれいになった。展覧会は期待したほどじゃなかったけれど、プチ・パレは無料の常設展示もいいし、この広々とした空間のタイルの床を歩くだけでも気持ちいい。
1900年の万国博のときのもの。















で、(由)も(宏)もとりわけ気に入ってるのがルーヴルにある古いモザイクの床。去年オープンしたイスラム美術展示室の下の階に置かれています。
展示品だから上を歩くわけにはいかない。
















写真はレバノンの6世紀の教会のモザイク床で、聖人の顔や動物の絵がいい。隣の鳥の図柄がある4世紀後半シリアのモザイク床もたまらなくきれいです。どちらもイスラムというより地中海ビザンチンの美術だけれど、地域柄ここに置かれているのです。正月にタキやんといっしょにウチに来てくれたミワさんは、チュニジアの遺跡の発掘調査をしている。砂漠の中でこういうモザイクが現れたのを見たら、カンゲキだろうなー。(宏)

2013年2月1日金曜日

失われた・・を求めて。

もう2週間以上も前のこと。(宏)は朝市で財布を無くした。
落としたのか盗られたのかわかりません。その前日にフミオも財布を盗まれていて、その話を聞いて「ばーか」と言ったばかりだったのに……。
クレジットカード2枚に健康保険証、プレスカード、大事なものがみんな入っていた。カード類はすぐに停止したけど、いちばん気が重くてめんどうなのが滞在許可証。拾い主またはドロボーさん、他のものはいいから滞在許可証だけでも送ってくれないかなぁ、と待っていたけどやっぱりダメ。
で、ケイサツ署で紛失証明をもらって、再発行申請に県庁支所に出向いたら、必要書類を揃えて入口の郵便箱に入れるだけでいい、とリストをくれた。思ったよりはカンタンです。
リストにモノクロの証明写真4枚とあるけれど、PHOTOMATONでは何度やってもカラーしか撮れない。カラーを添えた書類をいったん提出したけれど、やはり気になって、仕方なくレアルまで行きPHOTO SERVICE で撮ってもらう。けっきょく写真代の合計27ユーロ。で、モノクロ4枚を持ってまた県庁に行き、これに入れ替えてほしいというと、「あら、カラーでいいのよ」だと。「そんならリストにモノクロって書くな!」と言いたかったけど、「あ、そう、よかった」なんて笑って引き下がりました。

 ところがその数日後、パリ警視庁のオブジェ・トロヴェ(遺失物センター)から、《財布を保管してるから取りに来い》という文書が送られて来た。
15区のオブジェ・トロヴェは古いレンガの建物。昔の役場か病院の待合室みたいな大部屋の、木の格子窓の受付で順番札をもらう。係のおじさんはパソコン画面を見ながら、「16日に14区から無記名で投函されてますね」。えーっ、じゃあすぐ連絡してくれればいいのに……。そして手数料11ユーロ取られた。
Objet Trouvé。ジョルジュ・ブラサンス公園の隅にある。










オブジェ・トロヴェのすぐそばにはユタカさんちがある。


















 



滞在許可証も健康保険のカードもクレジットカードも、みんな再発行手続きし終わったのに、現金以外はぜーんぶ元のママだった。
翌日、今度は許可証再発行願いの取り消しにまた県庁へ行ったら、翌朝出直して来いという。で、またまた行って、失くした日、出て来た日など書いてサインした紙を提出して、やれやれようやく一件落着です。
 さて、ボローニヤに住むミチコさんのブログhttp://blog.goo.ne.jp/lamarmellatadifragoleを見たら、なんと彼女も同じ目に遭っていた。でも「拾って連絡をくれた人も外国人で、証明書類をなくすのがどんなに大変なことかわかる、と・・・」とあって。うん、ぼくの財布を送ってくれたのもたぶん。しかしまぁ、一度に身近な人が 3人も財布を取られるなんて。お互い気を付けようね。反省。(宏)