2013年3月25日月曜日

体育館の外装は未完だった。

土曜日、ウチの前の坂道の上に建設中だった市の体育館の落成式があった。いつも工事のトラックが走る坂道に、朝から清掃車が珍しく歩道の隅まで念入りに掃除してた。玄関前に人が集まってきてバンドの演奏も始まったので、市長さんからの招待状をもらっていた(宏)と(由)も見物に。(もちろん、近所の人はみんな招待されていたのです)
ふだんはあまり来ない黒い高級車も。

















ところでこの体育館、先日「へんな外装」の例として、〈これが完成形、なんとも中途半端〉って書きました。ところがその後しばらくして外装工事が再開。体育館本体の東面はすっかり木の棧で覆われ、南面の板も広がっていた。
さすがフランス、竣工式は終ったけど外装工事はまだ未完成。

















横長のガラス窓部分の木の棧は、鎧みたいに外側に張り出すみたい。
北側に観客席もある広い内部は、なかなか気持ちのいい空間だった。フットサルやハンドボールの公式試合にも使われるらしい。別棟には柔道場もある。
バスケットのコートが3面ある。

















南面の木の棧は、直射日光を遮るという機能がありました。設計した nomade さんごめんなさい。
でもね、ウチの前から見上げるノー窓の真っ黒な入口棟は、陰気でコワくて不気味なブラックボックスのままなのです。(宏)




2013年3月15日金曜日

春が来た?

まだ庭に寒波の名残りの雪は残っているけど、日射しが強かったので、今年初めて洗濯物を庭に干しました。気持ちいいー。
イワマツ夫妻が滞在中なので、毎日しっかり洗濯します。
雪ニモ負ケズ、植物たちは春モードになっています。(由)
雪に木瓜の花。
雪にツルニチニチソウ。
雪に桜…じゃない、レーヌクロードの花。

2013年3月12日火曜日

パリで脱原発を目指すヒューマン・チェーン。


久しぶりにきれいな青空だった9日の午後、パリで脱原発のためにたくさんの人たちが集まる催しが行われました。 西のラ・デファンスから東のベルシーまで、10数カ所の地点に環境団体などさまざまなグループが集合して、隣のポイントの人たちと手をつないでいくというもの。在外日本人の脱原発グループ「よそものフランス」は、オペラ座前に集合です。
オペラ・ガルニエ前にミニ原発も登場。


















子どもと未来の世界ために、フクシマを忘れずに脱原発を、というエコロジスト欧州議会議員のあいさつ、日本と福島の現況報告に、脱原発の歌、会津磐梯山の披露などの後、手をつなぎながら東西に分かれて出発。 (由)と(宏)は、マユミさん、マナちゃん、ユタカさん、留学中だと言う日本青年たちなどとマドレーヌ方向へ。さっきいたヨシタケさんやタカチくんたちは東へ行ったらしい。しばらく進んだところで臨時ストップ。隣のグループとの調整で少し戻れということで再びオペラ座前へ。スゴロクみたいです。

オペラ・ガルニエ前のヒューマン・チェーン。

















結局どうやらオペラ座広場の脇に落ち着いてやれやれ。ユージロー、マリさんもいて、最後に黙祷、拍手で解散でした。

ところで、パリの日本大使館からは、以下のような警告が流されていました。
………………………………………………
在留邦人の皆様へ
9日(土)に、反原発デモ(人間の鎖)が呼びかけられているため、注意喚起を送信いたします。 1.フランスの反原発団体RESEAU SORTIR DU NUCLEAIREは、9日に、ラ・デファンス地区からベルシー地区までの総延長20数キロに渡り、参加者が手を繋ぎ反原発の意志を示す「人間の鎖」デモを呼びかけています。
詳細は下記ウェブサイトをご覧ください。
http://chainehumaine.org/Trajet-de-la-chaine 
2.フランス電力公社(EDF)や仏原子力大手のアレバ社などのビルを取り囲むことも呼びかけられている他,オペラ・ガルニエにて反原発集会も呼びかけられていますので,上記ウェブサイトを参照しつつ、それらの建物周辺には、近づかないことをお勧めします。
3.本件デモは、暴力を伴うものではありませんが、不測の事態も排除されないため、以下の点に留意し、危険に巻き込まれないように注意してください。
 ●デモや集会が行われている等、大勢が騒いでいる場面に遭遇した場合は、速やかにその場から離れ,安全な場所に移動する。 ●警備部隊はデモ参加者から攻撃される可能性も排除されないため,興味本位で近づいたりしない。(以下略)
………………………………………………

なんとまぁ、《国民の安全》を気遣う親切な日本政府のメッセージ!  フランス人からは、信じられない、あきれたという声が挙っていますが、写真でもわかるように、この日は機動隊はおろか、ふつうのお巡りさんの姿もほとんど見ない、穏やかなものでした。
子どもたちも”ふくしまぷりゅじゃめさ”。




 













でも、この警告メルマガを見て参加したという人もいたから、もしかしたらこれ、この催しのウラPRだったのかも。(宏)

2013年3月9日土曜日

ストリート・アート展。

モンパルナスの郵便博物館“L'Adresse”で、“Au-delà du Street Art”という展覧会を見ました。パリの街角でおなじみのインヴェーダーやミス・ティックをはじめ、英米を含むグラフィティ、ラクガキアートのパイオニアたち十数人の作品が展示されている。
ポンピドゥセンター横に大壁画を制作したJef Aérosol.











学芸員の話を聞く子どもたち。












おなじみ Miss.Tic.











Banksy はロンドンを拠点に活躍する伝説的作家。












タンタンのパロディは Dran.






































キタナイパリのメトロのホームのタンタンが見ている電光掲示板には「ストのため本日の電車は全線不通です」だった。
カッコいい作品、手の込んだ作品、それぞれそれなりにおもしろいんだけど、ストリート・アートは、展覧会で鑑賞するのじゃなく、ストリートにあるべきもの。
やはり野に置けれんげ草、なのです。 (宏)


2013年3月2日土曜日

へんな外装。

14号線のビブリオテク駅から国立図書館ミッテランに向かうフランス大通り(すごい名前だ)と、新トルビアック通りの角に、もうすぐ完成という感じのデカ イビルが建っていた。図書館が出来てからこの一帯は次々に新しい建物が出来て、かつての線路沿いのわびしい風情がすっかり消えてしまった。この新トルビアック通りも数年前まで鉄道線路にかかる陸橋だった。 で、このビル、壁面いっぱいに角材をバラバラに打ち付けたような外装なのです。
台風の後の材木屋みたいです。
 














この外観から“nid de Ricciotti (リチオッティの巣)” と呼ぶらしいこの建物、住宅とオフィスや商業施設が入る複合ビルで、中庭の3階には人口の池なんかもあって何やらドラマチックに造られているらしい。設計者ルデイ・リチオッティのイメージは “インディアナ・ジョ−ンズの雰囲気” なんだそう。この人、ルーヴルのイスラム展示室なんかも手がけていて売れてる建築家だけど、目立ちたがりなんだね、きっと。
そういえば、パレ・ロワイヤル東のサントノレ通りに面した文化省の建物は、古い建物の外装を遺して内部はすっかり改装したもの。ところがその古典的な外観の建物が、銀色の金属製の奇妙な模様ですっぽり覆われいます。
巨大な蜘蛛の巣城です。

















 
パリの空と雲を表現したというんだけど、雲というより蜘蛛の巣。文化省というのは、歴史的な建造物を保存する総本山なはずだけど、これっていいのかなー?
さて、わがバニューの家の前の坂道のてっぺんにも、へんな外装の建物が出来つつある。3月末に完成予定の市の体育館なんだけど、板がなんとも中途半端に打ち付けられているのです。板の内側の壁面には、どう見ても断熱材みたいな真っ黒な布状のものが貼られている。その黒壁に部分的に板が貼って放置してあるから、いったい外装工事はいつやるんだろうと思っていたら、なんとこれが出来上がりの姿なんだって。
なんか半端な感じ。












手前は玄関のある棟。暗くて何とも半端な感じ;





















というわけで、どうやら機能とはあまり関係のない(いや、もちろん外観も機能のひとつなんだけど) 外装で人目を惹くのが今の建築のはやりらしい。
何年かして汚くなったり飽きて来たら外せばいいや、ってことなのかなぁ。(宏)