2013年7月28日日曜日

ノワジー・ル・セックのおっさん食堂。

偉そうなシェフのいるカッコつけたビストロより、ジャン・ギャバンみたいなおっさんがやっている食堂が好き! という(由)の趣味を知って(?)、アキさんとマコトくんが、彼らの家の近くで見つけたというレトロなレストランで昼食会を計画してくれました。
RER E線のノワジー・ル・セック駅から歩くこと10数分。一軒家の並ぶのどかな住宅地のまん中にとつぜん出現したその店は、うわー、好きだなーこの感じ。
看板がカワイイ! ルイゼットとジョエルの店だぞ。
入り口脇の看板にはメニューが。読めますか?
前菜、メイン、チーズ、デザート、ワインにコーヒーまで付いて12ユーロぽっきり! って最近、田舎でもこの値段はないよ。「すごいご馳走じゃあないですよ」と牽制するアキさん。ワインの1リットル瓶がドン! とまん中に置かれる。
前菜はトマトとジャガイモと卵のサラダ。それに鶏レバーのムース。
メインのローストビーフ。これで5人分。食べきれない…。
付け合わせは緑インゲンのサラダと白インゲン豆のサラダ。
みんな無口になってせっせと食べました。珍しい内容ではないけれど、どれもいい加減なところのない誠実な味。毎日食べても飽きない、家庭の味。赤ワインがあっという間に空になって追加を注文したら、たったの2ユーロだった(1人が、ではなく5人分で)。
ルイゼットおばさん手作りのアンズのタルト。
デザートを出したら,ルイゼットさんは奥に入って休憩。
店主のジョエルさんは、ジャン・ギャバンでも無口でもなかったけれど、陽気でよく笑うカワイイおっさんだった。近所の人がビールを飲みに来ていたけど、食堂のお客はけっきょく我々だけ。ちゃんと成り立つのかなー、この店。成り立って欲しいなー。(由)
Tシャツ、半ズボンのおっさん。ご馳走さまでした。

2013年7月27日土曜日

夏の庭の元気な奴ら。

フランスは涼しくていいわね、と日本の人に言われるけれど、暑くなった時は地獄ですよ! なにしろ冷房がないんだから。で,ひたすら地下室にこもっているしかない。
ところが(宏)ときたら、毎日朝ごはんの後から夕飯まで、ひどい時は夕食の後も、庭に出て植物の剪定。暑さには弱いはずなのに、お陽さまに照らされて木々の枝がぐんぐん伸びてゆくのを見ると、居ても立ってもいられなくなるらしい。
ブドウの蔓は電線でも何でも、生き物みたいに絡みつく。
垣根を覆う蔓草。2m以上ある塀を越えて触手を伸ばす。
キウイです。今年の蔓の先に来年は実がなるんだよ。
植物はすごいねー。人間はもう負けそう。でも負けていると庭じゅう取り返しのつかないことになるので、(宏)は健気に毎日がんばっているのです。
でも、隅っこのイチジクの枝を切ろうとしたら脇のフェニックスの葉先に突つかれて、よほど腹が立ったのか、フェニックスを切り倒しちゃった。
葉っぱを見せしめのため玄関に生けた? 五条河原の生首か!
そして葉を取られた胴体は,巨大な生ワサビとなりました。
バニューの夏の一日は,こうして過ぎてゆくのです。(由)

2013年7月26日金曜日

近ごろのソー公園。

あまりに暑くて、ブログを書く元気も出なかったこの数週間。でも感心に太極拳の練習だけは続けていたので、ソー公園の様子の報告です。
鴨たちは暑さに弱いのか姿を見せず、広い運河には白鳥が一羽。
ゆったりと優雅に浮かんでいるが。
じつは白鳥ってすごく意地悪で獰猛。ウチの子供たちが小さいころ、よくそばに寄って行ってはつつかれて悲鳴を上げていた。危険なのです。
よく見ると、なるほど悪そうな顔をしている。
性質が悪いせいなのかどうかは知らないけれど、この運河の白鳥はいつもひとりぼっちで、鴨たちもカモメも近づかない。
さて、いまソーのお城の前庭は、 ルノートルの設計した当時の庭に戻すという触れ込みで大改装中。そこから出た大量の土が、白い桜の園のそばに積み上げられています。そこに雑草の種がいろいろ飛んで来て花が咲く。なかにひときわ目立ったのがカモミール。
柵がなかったら摘んで帰りたいんだけど。
ふつうカモミールは花が野菊ぐらいの大きさなんだけど,これは大きい。もしかしてマーガレット? とも思ったけど、葉っぱが違う。
ところでウチの庭のマーガレットは、これも葉っぱが日本の花屋さんで売っているマーガレットとはどうも違う気がするんだけど。フランスの人はみんな,これがマーガレットだというのです。なんか不納得。(由)
マユミさんにもらった苗が,毎年元気に咲いてくれます。

2013年7月6日土曜日

母の日と父の日のプレゼント。

この前フランス建築・文化遺産センターに行ったとき、売店を冷やかしていたら素敵なお土産を見つけた。文化遺産センターのほうに展示されているロマネスクの柱頭彫刻のミニチュア模刻。
もう30年以上もむかし、初めてフランスに長期滞在していたとき、故・堀内誠一さんに「ヴェズレーとオータンに行かなきゃ」と薦められ、2つの町の聖堂を見に行った。タンパンや柱頭に浮彫りにされた彫刻のおもしろさ、可愛らしさに夢中になり、それ以来ロマネスクのお寺巡りが趣味になって、今でも巡礼のようにあちこち見て回っているのです。とくにこのオータン大聖堂の柱頭彫刻の「三博士の夢」は、大好きで、その当時(宏)が木版画を彫って年賀状にしたくらい。可愛い天使が星を指さして「ベツレヘムに行きなさい」と言っている。
樹脂ではなくて、一応ちゃんと石だって。29.50ユーロ。
もうひとつはヴェズレーのサント・マドレーヌ聖堂の、やはり柱頭彫刻で「神秘の粉ひき」。モーゼが小麦を注ぎ、パウロがそれを粉にひくところ。
細工が細かくないせいか、これはたった19ユーロだった!
売店の隅のガラスケースで、誰も見ないようなところにずっと置かれていた。二人とも大喜びで、すぐに「買おう!」って決めたのだけれど、ちょっと衝動買いには高いよね。
「そうだ、母の日のプレゼントにしてもらおうっと」「じゃ、もうひとつは父の日だね」というわけで、これはフミオくんとナオコさんからのプレゼントになったのでした(なんて勝手な親たちだ)!
ちなみに、日本では5月の第2日曜日が母の日だけど、フランスでは5月の最後の日曜日なので、日本の人と話しているとときどき話が食い違ったりする。そして父の日は6月の第3日曜日、らしい。私の時代には父の日なんてなかったから、いまだにピンと来ない。(由)