2014年1月30日木曜日

細木さんの大きな木とエマニュエルの動物たち。

カシャンの町の美術展示場オランジュリで、細木さんとエマニュエルの展覧会が開かれています。細木さんはこの町の公園にある大きな木を部分ごとに原寸大で描き続けていて、2年ほど前に隣町のワイン屋さんの倉庫で3日間だけ公開している。
その時は天井の高さが 5mほどだったけれど、今回のオランジュリの天井は 8m。これまでに完成した絵がなんとか収まっています。
6年ほど前に幹から順に描き始めた未完の大作です。
会場奥の壁いっぱいに広がる絵は迫力で、ちょっとゲントのサン・バヴォン大聖堂にあるファン・アイクの祭壇画『神秘の子羊』を見たときの‘’神々しさ”みたいなものすら感じさせる。
左手の壁にある絵は収まりきれなかった部分です。
今度は天井高だけじゃなく左右ももっと広くないと。
 部分ごとに描いた季節が違っていたり、描き方にも違いがあって、それがひとつにまとまっているために見飽きることがない。 でも上の方は遠すぎて、細部まで観られないのがザンネン。
オランジュリのある公園の椿の木を描いた絵も細木作品。メインの大木の制作に並行して描いたというから、もしかしたら浮気の木? 真赤な花が咲く、ちょっと日本画ふうの絵です。
比較的短期間に描いたので表現方法は一貫している。
細木の大きな木、完成時の高さ13mになるそう。何年先かわからないけど、ポンピドゥ・ センターの地階を見下ろすホールにでも展示できるといいなぁ。

カシャンにアトリエを持つエマニュエルのほうは、絵と版画、陶芸の近作をたくさん展示している。テーマは細木さんの大きな木の下で遊ぶ動物たち。
うさぎ。
赤い背景のうさぎ。
きつね?
架空の鳥を解説?したエマニュエルの博物誌。
 エマニュエルはアタマに浮かんだ物事を、絵でも焼き物でも次々と作品にしていく才能の持ち主。しかもそれがいつも型にはまらず新鮮で、どこかとぼけたやさしさがある。細木さん、アキコさんもいっしょにエマニュエルのアトリエに寄ってみた。
木工場跡のオンボロ長屋。2階がエマニュエルの仕事場。

木版画に合わせた話を活字で組んでいた。
標識と鳥。
交通標識は今回の趣旨に合わないかなと展示するのを躊躇したというエマニュエル。意外に繊細なんです。でも細木サンとエマニュエル、作るものは違うけど、互いに認めあっているようすは、端で見ていてもいい感じ。またいい作品を見せてくださいね。(宏)









2014年1月10日金曜日

1925 アール・デコ 魅惑の世界展。 

シャイヨー宮の Cité de l'architecture & du patrimoine(建築・歴史遺産センター)地階の企画展示場でやっているアール・デコの展覧会です。
いつもはここも空いてるのに、テーマのせいかふだんは見かけないタイプの女性たちで盛況だった。
『ワインと葡萄畑』ボルドー美術館所蔵の大壁画とブガッティtype40。

アール・デコという言葉は、第一次大戦後の1925年にパリで開かれた装飾美術・近代産業国際博覧会(アール・デコ万博)から一般化したもの。場所柄この時代の建築の展示が中心かと思っていたのだけれど、服やアクセサリー、香水などの装飾品や家具、庭園、乗り物,彫刻、イラスト、陶芸など、さまざまな分野に現れた〈アール・デコ様式〉が広く紹介されている。幾何学的だけど、人の手技を感じさせる魅力的なデザイン。
ラリック。

ポール・ポワレ。
プリマベーラ工房のネコ。
おなじみポンポンのクマ。

でもそのために、当時のパリに個性的な建物を造ったマレ・ステヴァンスやソヴァージュ、パトゥー、スピッツといった建築家たちの模型などがもっとたくさん観られるかと思っていたんだけれど・・・。
 最後のほうに、パクボ・スタイルと呼ばれるパトウの建物の模型があった。
本物は15区の端っこヴィクトール大通り3番地に。

カッサンドル。

その隣に豪華客船(パクボ)ノルマンディ号の模型、そしてもちろん、カッサンドルの名作ポスター『ノルマンディ号』もあったので・・・、

ノルマンディ号。
さっそくノルマンディ号をカッサンドルしてきました。(宏)
 

2014年1月7日火曜日

サルガドの"GENESIS"展。

パリを拠点にするセバスチャン・サルガドの「ジェネシス」展を見にヨーロッパ写真美術館へ。翌日が最終日というのでここでは珍しく長蛇の列。でも館内はそれほどでもなく、70才になる写真家が8年にわたって撮った世界をゆっくり観ることができた。
に手前にあるのは御用済みのクリスマス・ツリー。

裸族の少女。大人になる儀式の準備。 

母国ブラジル・アマゾンの湿地帯、シベリアのツンドラ地帯、エチオピアの高地など、厳しく美しい地球の辺境の、自然と動物や人々の姿を通して、サルガドは、今の地球環境や人間の暮らしを根源から見直そうという。
極限に生きる動物と人間たちの姿に向き合っていると、いい意味で、過酷な旅の疲労感みたいなものを味わうことになる。

キリンさん。

トナカイと一緒に移動する遊牧民。

上の写真を見た後では、日本行きのヒコーキの窓から見下ろすシベリアの寂寞とした景色も、きっと今度は違って見えるんだろうなぁ。原発推進だの、武器輸出OKだの、靖国に参拝して国の誇りだの、憲法改定が使命だのと、たわけたことを言ってる人にも見てほしい展覧会でした。(宏)

2014年1月4日土曜日

ノエルと元日のごちそう。

この年末年始はごちそう作りの主役の(由)が帰国中で不在でした。
でも、フミナオが誰かからプレゼントされたモエ・シャンドンのロゼとスモークサーモンを。(里)がボルドーとトーゴくんとこ特製のフォワグラを持参。
例年(由)が焼く詰め物をしたトリが食べられないなぁと思っていたら、アヤカさんが用意してくれました。
大きなく立派なシャポンです。












で(宏)はアンディーブとウチのクルミのサラダを作り、ビュッシュ・ド・ノエルを買って来た。さらにナオコさんが作ったトマトのスープとノエル仕立てのサンタ・サラダで、華麗なる晩餐ができました。

 さて続いては、ボローニャのお姉さんの家に招ばれたフミナオが留守の元旦。
でも、今度はユズががんばって作ったおせちを(里)がマレから運んできた。お雑煮担当はアヤカさん。(宏)はマーシュのサラダと、例年通りのクリキントンです。
元日の食卓。(撮影はアヤカカメラマン)












2日がかりで作ったユズのおせちは、鮭入り昆布巻き、なます、野菜の煮物、カブの甘酢漬け、鴨のロースト、トリのごま風味・・・という手の込んだものだった。
あ、ブタの角煮も作ったゆずはブッタおれてしまって欠席でした。ありがとユズ。
そして皆さん、おめでとう。(宏)