2015年8月31日月曜日

『狐物語』と『ぼくだけの音楽1』2冊の本

福音館書店の編集者マツモトさんからきれいな本が送られて来ました。『ぐりとぐら』シリーズの画でおなじみの山脇百合子さんが訳した『狐物語』です。
1928年にフランスで出版された原本の編者と挿画はレオポルド・ショヴォー。中世から伝わる狐のルナールが主人公の物語をショヴォーがまとめ直したもの。この原本をみつけたマツモトさんの努力で完成したすてきな本です。堀内誠一さんが“白と黒の魔法”と評したショヴォーの挿画と、やさしく正確な山脇さんの訳文がいい。
ショヴォーは外科医だった。
山脇さんがこの物語が生まれたところを見たいと来仏したとき、その場所探しを少しだけ(宏)が手伝いました。パリの東イル・ド・フランスとシャンパーニュの境あたりがその主な舞台です。
さてもう一冊。
(宏)が雑誌の仕事をしていたころからのつきあいのヨネから送られてきたのが『ぼくだけの音楽(黒田恭一コレクション①)』。
音楽評論家としてよく知られていたわりには著書が少なかった黒田さん。そのクロキョウさんの編集担当者で、クロキョウさんを慕い、クロキョウさんと親しくしていたヨネが、音楽が好きなひとたちに、もっとクロキョウさんの文に触れてほしいと、がんばって出版したもの。内容詳細はヨネのブログを見てください。
パラフィン紙でくるまれています。
ヨネの企画したこのシリーズ、(宏)は装本などの相談に乗り、デザインしたのはPABLOのサトウAくんです。
黒田さんが新人のピアニスト(名前は覚えていない)のレコーディングに立ち会うためにパリに来たとき、パンテオン近くのレバノン人宿舎の講堂での練習を聴くのにおつきあいした。ショパンの曲の気持ちのいい演奏が終わって、レバノン料理の話になり、「レバノンではレバーは食べないんですよ」と言ったら、「へー、宗教の関係ですか?」と黒田さん。「いや、レバノンだから・・・」。目玉をクリクリさせたクロキョウさんはうれしそうに「はぁ〜、イナバさんてそういう人だったんですか」と。
そのときもいっしょだったヨネ企画のこの本、部数が少なくてちょっと値段が高いけど、売れてくれて続きが次々と出版できるといいな。(宏)

2015年8月18日火曜日

8月のパリ、いろいろ。

一部の観光地は別として、8月のパリは空いています。北駅に近い屋根付きの常設市場マルシェ・サンカンタンも休みの店が多くまるで閑散たん。
子どもを遊ばせてのんびり。
ところでこの人、7歳ぐらいの男の子のお母さん。日本ではおばさんになるとなぜかミニをはかなくなるけれど、パリではおばあさんでもミニとタンクトップという人が多い。
 それはそうと、ごちゃごちゃ雑然としたフォブール・サンドニ通リの古い酒屋、それもワイン屋ではなく、ウイスキーなど世界中の酒を扱う店のウインドーにニッカを発見。
パリの人は朝ドラは日課じゃないけどね。
マレ地区の北のほうの歩道の隅に、お馴染みの石の物体があった。
詳しくは、旧著『路上観察で歩くパリ』を見てください。
で、18区のマルカデ近くの裏道にこんな立て看板を見つけました。
立ちションの罰金は35ユーロです。
 “ひとりのいい気持ちで、たくさんのうんざり” みたいなことが書いてある。でもそれよりトイレを置こうよ。
 さて、モンパルナス駅脇のパスツール大通りに、こんな2人が座っていた。
ほぼ等身大の塑像。男性はエリツィンに似ている。
 クラシックな装いの夫婦像だけど、はてな?何これ?
通行人はみんなけげんな顔で見ています。
2人の前にお金を入れる缶があった。なんだそういうことか、代理の物乞いです。
さてウチに帰ろうかと、ダンフェールの駅に向かったら、華やかに着飾った親子がすぐ前を歩いていたのでウシロからパチリ。
右がクロダさん。ご当人はこっちに気づいていた。
と、親子連れの横から「あれ? ぼくを撮ってくれたんじゃないの?」という声。
いつもダンディーな黒田アキさんでした。
いかにもヒマネタばかりでごめんなさい。(宏)

実りの夏。

7月が暑かったせいで、イチジクは7月中に取りつくし、例年なら9月に色づく庭のブドウがもうすっかり完熟している。それも数年ぶりの豊作。うれしいんだけれど、さていつ収穫しようか? 
誰に手伝ってもらえるかもモンダイです。
そしてリンゴ。これもいつもよりひと月近く早いのに、もう食べられる。去年はまるで不作だったけれど、今年は鈴なり。
カリッとしてすごくおいしい。
クルミやキウイはまだだけれど、どちらも順調にふくらんでいます。
外側が割れて中のクルミが落ちてきます。それを拾う。
 ナオちゃんが野菜を作るといって、キュウリやスイカなどのタネを撒きました。
今までのところスイカは?で枝豆はほんの少しだったけれど、キュウリとシソ、水菜、それにオクラは大成功。
日本のキュウリだけど大きさはフランス。
左の2株はアマゾンで買った苗、他は日本のタネから。
でもヨル、ハルは庭の産物には興味なしで、気持ち良さそうです。
水菜とハル。
われ関せずのヨル。
月末、ナオ・フミに赤ちゃんが生まれる予定。実りの夏なのです。(宏)