2016年10月6日木曜日

11月19日「パリの21世紀建築」のトークショー。

駿河台エスパス・ビブリオでのトーク・ショー、続いて次回のテーマは「パリの21世紀建築。変貌する街を考える」です。
ユネスコ世界遺産のセーヌ河岸一帯だけでなく、パリの中心部は歴史遺産として保護されている建物も多く、景観保全の上からも新しい建築はわずかな例しかありません。
そんな中で、1970年代末に造られた「フォロム・デ・アル」の改築が完成しています。
地下広場を囲む低層の建物を大屋根が覆っている。
 ブーローニュの森に建てられたのが「フォンダシオン・ルイ・ヴィトン」。ガラスの曲面を組み合わせたフランク・ゲーリーによる建物は、かなリ奇抜な建築。建築に奇抜さはいらないと思うけれど、ここは遊園地のような楽しさがある。
ルイ・ヴィトン財団の現代美術館。
パリ市内外の再開発や新しい建物のプロジェクトの設計は、ほとんどが公開コンペになっていて、田根剛、藤本宗介など多くの日本人建築家の案も選ばれています。
都心の老舗百貨店サマリテーヌの改装・改築はSANAA。かつてルノーの工場があったブーローニュ・ビヤンクールのセーヌの中州スガン島に間もなく完成する音楽ホールは坂茂の設計です。
坂茂によるスガン島の「シテ・ミュージカル」。
 歴史的な建物が少ない周辺区、それも鉄道用地や外周道路沿いの倉庫街だったところに、新しい街が次々に生まれている。
そして今、《グラン・パリ計画》の名の下に、郊外も含めた交通網の整備と都市開発が急速に進められている。郊外に出ると、すぐに一面の緑の森や畑に囲まれているパリだけれど、大きくその姿を変えようとしている。
パリは2024年のオリンピック開催に立候補しているのです。(宏)




2016年10月2日日曜日

10月22日、またトークショーです。

駿河台の図書室カフェ、エスパス・ビブリオでのトークショー、今回はオーギュスト・ぺレによって再建された都市、ユネスコの世界文化遺産にも登録されているル・アーヴルの話です。
ル・アーヴルは、パリを流れるセーヌがノルマンディを抜け、英仏海峡に出る河口の港町。モネが『印象ー日の出』を描いた、印象派発祥の地です。
モネが描いた場所には巨大なクルージング船が停泊していた。
 第二次大戦の末期、ドイツ占領下の街はイギリス軍の空爆で徹底的に破壊されてしまう。戦後すぐに政府の要請で、〈コンクリート建築の父〉と呼ばれたペレが廃墟と化した街を再建します。
ペレが設計した集合住宅の一室です。
戦災を免れた倉庫群がショッピングモールに。
この夏、オヴニーに記事を書いたのだけれど、掲載できなかったたくさんの写真を見ながら、フランスのほかの町とは違うおもしろさがあるこの港町を紹介します。(宏)
トークショーの申し込みはクリックしてエスパス・ビブリオへ。

Yutaka YAMAMOTO写真展。


ウチとほぼ同じころからパリに住んでいる友人のユタカさんの写真展が東銀座の靖山画廊で開かれています。
テーマはなぜかタマゴ。いつもながらいい写真です。(宏)→

  

2016年10月1日土曜日

ノーカーデーと中古車規制。

長い間ごぶさたしていたら、すっかり秋になってしまいました。

 さて、9月の最終日曜日、パリの都心部からクルマの走る姿が消えました。
といってももちろん、パトカー、消防車、救急車などの緊急車両とバス、タクシーは例外で、一般のクルマやバイクは11時から18時の間、全面通行禁止というもの。
パリ市の排気ガス削減キャンペーンの一環です。
セーニヌ河岸道路も自転車ものんびり。
雨上がりせいもあるけれど、ふだんは排気ガスでいっぱいの都心も、この日は気持ちよかった。
止まっているのはタクシーです。
 2025年までに、現在の温室効果ガスの排出量の75%削減を掲げるパリ市は、この7月から20年以上前に製造されたクルマを対象に、市内の走行を8時から20時まで禁止すると発表。今の所はほんとに止められたという話は聞いていないけれど、11月からは35ユーロ、来年1月からは68ユーロの罰金が科せられるそう。20年以上という規制も、年々さらに厳しくしていくらしい。
中古のフィアット・パンダに乗っているユタカさんは、そう言われても新車を買うほどユタカじゃないしな〜と。
モンマルトルの2CVレンタカー。
ヴィンテージもののクラシックカー愛好者団体などは、例外措置を求めているそう。
観光客向けにシトロエン2CVのレンタカーが人気だけれど、これもどうなるのかな? 
11月末にはパリでCOP21(国連気候変動枠組条約第21回締約国会議)が開かれます。(宏)