ギメ東洋美術館で開かれている『魯山人の芸術』展(9月6日まで)を観ました。北大路魯山人は陶芸や書画、篆刻などもこなした料理人。流派や型にとらわれない独自の世界を築いた人だった。
懐石料理の影響か、ドレッサージュと称してちまちま飾り立てる盛りつけが今のフランス料理の流行りだけれど、魯山人の豪快なドンとでかい大皿はこれを吹き飛ばすよう。でもあまりにもデカくて派手だから、使いたいとは思えない。作品というよりむしろ商品として作った茶碗や徳利は、もらえたらうれしいかも。
紅葉や鳥はリアルで繊細な絵。 |
とっくりもかわいい。 |
良寛の詩『十字街頭』を書いた屏風が、なかなかかっこいい。
でも、書家の森田子龍はこの書を酷評している。 |
魯山人は多芸多才だったけれど、かなりわがままで傲岸、独りよがりな人物だったらしい。話はずれるけれど、この展覧会のオープニング・セレモニーで聴いた文化庁長官という人のあいさつも、何とも独りよがりでコマッタ代物でした。
春に訪日したオランド大統領に話したことと前置きして、宇宙人に「地球で文化と科学に優れている国はそれぞれどこか」と訊かれた。私はすぐこう答えた。「その両方に優れた国が地球上に2つだけある。日本とフランスだ」‥‥、とさも得意げに披露したのです。
ユーモアもオチもなんも無い。これが日本の文化庁のトップの公式挨拶。あのね長官、ここはインド、カンボジア、タイ、中国,韓国‥‥と、アジア全体の美術館なんですよ。そこで、優れた国は2つだけって。そばのフランス人夫婦がオーララと頭を振ってた。(宏)と(由)は居たたまれなかったです,ホント。
どうやら長官が青柳正規さんに変わったらしい。やれやれよかった。(宏)
0 件のコメント:
コメントを投稿