カシャンの町の美術展示場オランジュリで、細木さんとエマニュエルの展覧会が開かれています。細木さんはこの町の公園にある大きな木を部分ごとに原寸大で描き続けていて、2年ほど前に隣町のワイン屋さんの倉庫で3日間だけ公開している。
その時は天井の高さが 5mほどだったけれど、今回のオランジュリの天井は 8m。これまでに完成した絵がなんとか収まっています。
6年ほど前に幹から順に描き始めた未完の大作です。 |
会場奥の壁いっぱいに広がる絵は迫力で、ちょっとゲントのサン・バヴォン大聖堂にあるファン・アイクの祭壇画『神秘の子羊』を見たときの‘’神々しさ”みたいなものすら感じさせる。
左手の壁にある絵は収まりきれなかった部分です。
今度は天井高だけじゃなく左右ももっと広くないと。 |
部分ごとに描いた季節が違っていたり、描き方にも違いがあって、それがひとつにまとまっているために見飽きることがない。 でも上の方は遠すぎて、細部まで観られないのがザンネン。
オランジュリのある公園の椿の木を描いた絵も細木作品。メインの大木の制作に並行して描いたというから、もしかしたら浮気の木? 真赤な花が咲く、ちょっと日本画ふうの絵です。
比較的短期間に描いたので表現方法は一貫している。 |
細木の大きな木、完成時の高さ13mになるそう。何年先かわからないけど、ポンピドゥ・ センターの地階を見下ろすホールにでも展示できるといいなぁ。
カシャンにアトリエを持つエマニュエルのほうは、絵と版画、陶芸の近作をたくさん展示している。テーマは細木さんの大きな木の下で遊ぶ動物たち。
うさぎ。 |
赤い背景のうさぎ。 |
きつね? |
架空の鳥を解説?したエマニュエルの博物誌。 |
エマニュエルはアタマに浮かんだ物事を、絵でも焼き物でも次々と作品にしていく才能の持ち主。しかもそれがいつも型にはまらず新鮮で、どこかとぼけたやさしさがある。細木さん、アキコさんもいっしょにエマニュエルのアトリエに寄ってみた。
木工場跡のオンボロ長屋。2階がエマニュエルの仕事場。 |
木版画に合わせた話を活字で組んでいた。 |
標識と鳥。 |
交通標識は今回の趣旨に合わないかなと展示するのを躊躇したというエマニュエル。意外に繊細なんです。でも細木サンとエマニュエル、作るものは違うけど、互いに認めあっているようすは、端で見ていてもいい感じ。またいい作品を見せてくださいね。(宏)
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