でも、通りに面した入口をくぐると、静かな路地がいくつもあって、表の喧噪がウソみたいな気がします。今回は、必要あっての確認取材がてら、その中のいくつかを巡る下町散歩です。
バスティーユ広場の北側に2軒の大きなカフェが並んでいる。そのテラスの間の門をくぐると、「クール・ダモワイエ」。クールと名が付いているけれど向こうのダヴァル通りに抜けられる私道です。奥のほうにお茶やコーヒー豆を売る小さなカフェがある。広場のカフェよりこっちのほうがいい感じだと思うんだけど、いつ見てもひっそり空いてるんだよね。
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cour Damoye |
広場の東、ロケット通りが始まる角から入るのが「パサージュ・デュ・シュヴァル・ブラン」。以前は大きな材木問屋や家具倉庫があったところで、路地というにはかなり広めの道に、18〜19世紀の大きめの建物が 並んでいる。枝分かれした袋小路はクール・ジャンヴィエ、クール・フェヴリエ・・・という名前。創業100年以上の金銀細工屋や照明器具屋、エベニスト(高級家具作り、木工細工職人)の工房もがんばっているけれど、建築やデザイン事務所、ウェブ関係のアトリエが目につきます。
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passage du Cheval blanc |
王制時代から家具職人の街だったというフォヴール・サン・タントワーヌ通りの裏手には、職人の工房が集まっていた路地が無数にある。「クール・デュ・ベレール」は、その名の通り、葡萄や藤の緑につつまれた気持ちのいい中庭。田舎の旅籠みたいな家に、伝統家具の修理屋もあるし、注文制作のデザイン家具のショールームなどがある。
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cour du Bel Air |
隣の「パサージュ・デュ・シャンティエ」は、いかにも下町らしい雰囲気の抜け道。入口付近には昔ながらの家具屋が並んでいます。でもここも奥のほうには、ヴィトラなどのデザイン家具と雑貨のセレクトショップや、代官山か京都にあるみたいなカフェが出来ていた。
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passage du Chantier |
ルドリュ・ロラン駅寄りにも、静かな「クール・ド・レトワール・ドール」、ガラス屋根のある「クール・デ・シャドック」.1軒の家具屋の工房と展示場が占めている「クール・デ・トロワ・フレール」・・・と、雰囲気の違ういくつもの路地が続いています。
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cour de l'Etoile d'Or |
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cour des Shadoks |
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cour des Trois Frères |
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cour de l'Ours |
「クール・ド・ルルス」の壁には、古い家具屋の看板の一部が残っている。
フォブール・サンタントワーヌ通りから北東に伸びるシャロンヌ通りは、どう見ても車の排気ガスが漂っているというのに、なぜか通りに並ぶビストロのテラスがいつも賑わっている。パリの若ものって(若くなくてもかな)、どうしてこういう場所が好きなんだ?
古い路地裏の職人街の雰囲気を色濃く残しているのが、このシャロンヌ通りから入る「パサージュ・ロム」です。
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passage Lhomme |
裏通りの静かな空間に入ると古い家具の街の空気をかぐことがことができる。家具職人のアトリエはずいぶん減っているのだけれど・・・。(宏)
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