福音館書店の編集者マツモトさんからきれいな本が送られて来ました。『ぐりとぐら』シリーズの画でおなじみの山脇百合子さんが訳した『狐物語』です。
1928年にフランスで出版された原本の編者と挿画はレオポルド・ショヴォー。中世から伝わる狐のルナールが主人公の物語をショヴォーがまとめ直したもの。この原本をみつけたマツモトさんの努力で完成したすてきな本です。堀内誠一さんが“白と黒の魔法”と評したショヴォーの挿画と、やさしく正確な山脇さんの訳文がいい。
ショヴォーは外科医だった。 |
山脇さんがこの物語が生まれたところを見たいと来仏したとき、その場所探しを少しだけ(宏)が手伝いました。パリの東イル・ド・フランスとシャンパーニュの境あたりがその主な舞台です。
さてもう一冊。
(宏)が雑誌の仕事をしていたころからのつきあいのヨネから送られてきたのが『ぼくだけの音楽(黒田恭一コレクション①)』。
音楽評論家としてよく知られていたわりには著書が少なかった黒田さん。そのクロキョウさんの編集担当者で、クロキョウさんを慕い、クロキョウさんと親しくしていたヨネが、音楽が好きなひとたちに、もっとクロキョウさんの文に触れてほしいと、がんばって出版したもの。内容詳細はヨネのブログを見てください。
パラフィン紙でくるまれています。 |
ヨネの企画したこのシリーズ、(宏)は装本などの相談に乗り、デザインしたのはPABLOのサトウAくんです。
黒田さんが新人のピアニスト(名前は覚えていない)のレコーディングに立ち会うためにパリに来たとき、パンテオン近くのレバノン人宿舎の講堂での練習を聴くのにおつきあいした。ショパンの曲の気持ちのいい演奏が終わって、レバノン料理の話になり、「レバノンではレバーは食べないんですよ」と言ったら、「へー、宗教の関係ですか?」と黒田さん。「いや、レバノンだから・・・」。目玉をクリクリさせたクロキョウさんはうれしそうに「はぁ〜、イナバさんてそういう人だったんですか」と。
そのときもいっしょだったヨネ企画のこの本、部数が少なくてちょっと値段が高いけど、売れてくれて続きが次々と出版できるといいな。(宏)
『狐物語』も手元に置きたいな。
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