2014年11月2日日曜日

幻の川ビエーヴル。その2・ジュイの布地、ルドン。

再びプチ・ジュイ=レ・ロジュの駅をスタート。今日の同行はアヤカさんとホソキさんです。ここからは流れに沿って下流に向かって歩きます。
緩い坂道を上るとジュイ・アン・ジョザスの町。ひなびた家並の街道沿いに建つ、ひときわ立派な館が「ミュゼ・トワル・ド・ジュイ」です。
右手に新館がある。月曜休館。
1760年、この村にオベルカンフが創業した工場で作られていたプリント布地のミュゼ。良質なビエーヴルの水を使って生産されたジュイの布地は、そのいかにもフランス的なパターンが宮廷貴族に受け、川の畔にあった幾棟もの大きな工場で、さまざまな図柄のプリント布地が生産されていた。工場は19世紀半ばまで操業。ここで作られていた図柄は、今も多くのデザイナーに使われています。閉鎖後、場施設はすべて撤去され、今はその跡が流れを巡る公園になっています。
いくつもの川筋が流れるジュイの公園。
ジュイには、やたらに立派な屋敷が多い。駅近くのホテル・レストランで昼食後、ラスパイユに移転するまでここににあったカルティエ現代美術財団の跡がどうなったのかが気になって、寄り道しました。セザールやアルマンなどの野外彫刻がある広い庭園と、18世紀の城館は見えなかったけれど、道路際の書籍売り場や奥のカフェだった建物は、引っ越した当時のまま埃だらけになって放置されていた。緑に囲まれた環境でいい展覧会が開かれ、おしゃれでカッコいい場所だったのになぁ。
諸行無常の蜘蛛の巣だらけ。
ビエーヴル村に入り、ヴィクトル・ユゴーが滞在した館などを眺めながら川岸に戻り、流れに沿ってビエーヴル村の中心に出ます。
ビエーヴル村のラ・ビエーヴル。
商店やカフェも並ぶビエーヴルの村は、住み心地がよさそう。村の北はずれにフランス写真博物館(月・火休館)があるけれど、今回はパス。その代わり、画家オディロン・ルドンの墓を訪ねる。1916年にパリで死んだルドンは、晩年の夏を過ごしたこの村に葬られた。高台の墓地の奥にルドンの墓を発見。野の花に覆われた、いかにもルドンらしい墓でした。
ルドンの墓。
踏切の先、プチ・ビエーヴル通りのルドンがいた家。
ルドン夫妻が夏を過ごしたジュリエット荘を見てから小川歩き再開。次第に平坦になって畑や雑草の生い茂る荒れ地も増えてきたら、イニーの村です。
イニーの木の橋。
今日はイニー駅まで。ビエーヴル歩きはまだ続きます。(宏)

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