2011年9月19日月曜日

文化遺産の日:シャナ・オルロフのアトリエ

9月17、18日の週末は、Journées du patrimoine=文化遺産公開の日。お天気もまずまずだったので、(由)と(宏)は土曜の午後、パリ14区のVilla Seuratにある彫刻家Chana Orloffのアトリエを見学に行きました。
といっても、我々はChanaがどんな人なのかまったく知らなかった。ただ、Villa Seuratという路地がダリやスーチンの住んだアトリエ横丁で、昔から「もし私たちが金持なら家を買いたい通り・ベスト10」の上位に入る場所だったので、ぜひそのアトリエの内部を見たい、と思ったのです。それにエリゼ宮やリュクサンブール宮みたいに、何時間も並ばなくてもいいしね。
石畳の両側にアトリエが並ぶ。真ん中の茶色いのがChanaの家。

















1925年にオーギュスト・ペレの建てたこのアトリエは、鉄骨むき出しの高い天井やスッキリと四角い壁がとても快適そう。やっぱり金持になったら住みたい! 
北向きの広い窓から、反射光が部屋いっぱいに入る。

















アトリエでは、今もここに住んでいるという、Chanaの孫にあたる女性と男性が、アトリエ建築や作品について詳しく説明してくれました。Chana Orloffという女性は19世紀末にウクライナで生まれ、家族でパリに来て、アール・デコラティフで美術を修め、肖像彫刻家として20年代に人気があったのだという。当時の彼女の作品は、滑らかでモダンにデフォルメされた、いかにもアールデコらしいもの。おびただしい数があって、これでアトリエが建てられたんですね。
アメリカでも人気が出て、展覧会も開かれた

















第2次大戦が始まると、ユダヤ系だったChana はスイスに逃げ、そこで制作。戦後パリに戻ってからの作品はずっと思索的になり、テクスチュアも粗くなって、戦前のファンからは忘れ去られてしまったのだって。でも、一貫して作り続けていた動物の彫刻は、とても愛嬌があってかわいい。
イナゴ。(宏)はカバかワニだと思ってた。
















行列はしないでも入れたけれど、このアトリエ見学、思いのほか人気があって、後から後から見学者が押しかけて大賑わい。ソルドのブティックみたいでした。(由)
中2階にもたくさんの作品が並ぶ。

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