2015年6月10日水曜日

ポン・デザール。

ポン・デザール(Pont des Arts)の欄干の鉄柵に、南京錠を取り付けてカギをかけ、そのカギをセーヌに放り込むというアホなことが流行。
この "Cadenas d'amour" 。愛の南京錠と訳されているけど語感に風情がない。愛のカギのほうがいいかと思うけど、実態を見るとまるで風情なんてないから、ま、いいか。
欄干からたもとの手すりまでぎっしり。
危険だし景観破壊だという意見にパリ市は、権力で排除するのも大人げないと静観してきた。しかし、去年の6月に愛の重圧に耐えかねたフェンスの一部が壊れるという事故が発生。パリ市は、これ以上取り付けられないようにと、とりあえず南京錠でいっぱいの欄干の内側をパネルで覆って、ラクガキアートのスペースにしていました。
あまりきれいじゃないストリート・アート。5月末です。
そしてついに先日(6月1日)撤去が公示され、100万個ともいわれる南京錠で軟禁状態だったポン・デザールが解放されたのです。数日後に見に行くと、欄干が昔のようにすっきりしている。
いいね。
橋を渡る人の足下まで見えるシルエットの情景がきれいだったこの橋。うん、よかったなと近づいてみたら、橋はまだ通行止め。すっきりしているのは片側の欄干だけで、下流側には新しいパネルが並んでいる。それに橋のたもとの手すりの下は相変わらず南京錠でいっぱいのままなのです。作業のおじさんに訊くと両側ともパネルを取り付け、たもとはそのまま、ということでちょっとがっかり。
南京錠防止の新パネルと帽子の警備員。
つかの間のスッキリ欄干と、それでも南京錠を付けてる2人。
で、数日経ってまた行ってみました。新しいストリート・アートのパネルが並んでいる。4人のアーティストによる愛をテーマにした、前よりはレベルの高い (?) 作品。その中でも楽しいのが、パリと愛の南京錠が主題のイラストです。
外側にもアート。
眺めのいい橋。南京錠とパリがテーマのイラスト。
150m南京錠禁止。
それにしても、この南京錠取り付けの流行は相変わらずで、オルセーとチュイルリーを結ぶ歩道橋もノートルダム裏のサン・ルイ橋とアルシュヴェッシェ橋、それにポン・ヌフのアンリ4世像のあるテラスの鉄柵も、真鍮の錠前にあふれてギラギラ光っています。そのうち、パリ中の鉄柵がこうなってしまうかも。
ポン・ヌフのテラスも。
無粋かもしれないけれどポン・デザールだけじゃなく、他の場所も禁止したほうがいいなー。愛錠はいらない。要るのは愛情だよ。(宏)

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