2012年9月19日水曜日

ブノージュ村の夏休み;その6 パスティスの話。

ひと休みしていたので、もう夏休みの報告は種切れ? と思ったでしょうが、イヤイヤどうして、まだまだあります。
 パステイスっていうと、ふつうペルノーとかアブサントとか、アニス系で作った食前酒のことだって思うけれど、この夏ブノージュで出会ったのは、そういうリキュールとは何の関係もないフシギなお菓子だった。 
前にケイコさんからパスティスのこと、そしてカザルの市で知り合ったパスティス作りの名人の話は聞いていたのだけれど、今回、その人が自宅でお菓子を作るのを見せてもらえる、という。10kmほど南の村にあるスリエおばさんの家に、さっそく皆で押しかけて行きました。 
丘の上の花畑に囲まれた小さな家。奥に見えるのが離れの台所。
  

















今回は娘さんたちのために3個のパスティスを焼くという。 小麦粉にサラダ油と塩・砂糖、水を混ぜた種を、耳たぶくらいの柔らかさに練って3時間は寝かせる。リンゴは刻んでオードヴィに漬けておく。
小さなパンくらいの種を、シーツを広げたテーブルに置く。











手を使って伸ばします。











伸ばします。











どこまでも伸ばします。










ジャーン!伸びたー。下のシーツが透けて見えるほど薄い。






































驚くほど薄く伸びた生地にオイルを塗り、外側の部分はカットして、砂糖を撒き、リンゴをのせて帯のように巻く。カットした生地は、足りない部分に再利用。
バラバラとリンゴを置く。











こんな帯を何本も作ります























リンゴ入り生地の帯を、タルト型の中に花のように並べて詰めてゆく。帯の上の部分をナイフで裂き、生地の残りを花びらのように飾ってオーヴンへ。
バラの花のような具合に並べて、焼く準備の出来上がり。












 





上の段で強火で20分、下の段に移し、火を弱めて25分。焼きたてにシロップをかけて蒸らします。 
シロップはオードヴィ+砂糖+水にリンゴの漬け汁を加える。











でき上がり。






















パイ皮がサクサクと軽く、香りのよい上品な味わいのお菓子です。別の町のレストランでも食べ比べてみたけれど、やっぱりスリエおばさんのパスティスには敵わなかった。あの生地伸ばしの技が、味の決め手でしょうね。 庭の花までお土産にいただいて、大満足で帰りました。(由)

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