2013年4月28日日曜日

坂崎乙郎 訳『幻想芸術』のこと。

先月、紀伊国屋書店の編集部から連絡があった。坂崎乙郎さんが訳したマルセル・ブリヨン著『幻想芸術』を復刻することになったという嬉しい知らせ。で、この本に掲載されている膨大な数の図版の著作権についての問い合わせでした。
というのは、本には図版の著作権に関する記載が無く、坂崎さんのあとがきに、図版に協力したとして(宏)の名を書いてくれていたのです。
当時はまだ著作権についてのルールが確立していなかった。とくに学生や研究者向けの専門書や教科書的な本での引用は、今のようにうるさくなくて、出版社もそのまま掲載していた。で、復刻にあたってこれがモンダイになった。
1968年の発行。4センチ近い厚さがあります。

















図版はブリヨンの原本には無く、読者が理解しやすいようにという坂崎さんの考えで入れたもの。そして、彼の蔵書の画集や展覧会の図録などからの複写を、学生だった(宏)が仰せつかって坂崎さんの家に通って撮影したものだったのです。
原本には無いのだからと図版を外して出すことだってできるのに、坂崎さんの意図を大切にしたいと、時間とお金がかかっても、改めてすべての図版の著作権許諾を取った上で復刊するとのこと。さすが紀伊国屋書店です。
無事に復刻できる日を楽しみにしています。(宏)

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