2010年12月18日土曜日

レイモン・デパルドンの「La France」

昨日は雪の予報だったのに青空が出て、また宏爾と「じゃ、パリに行こうか」。
前から気になっていたBibliothèque Nationaleの写真展、レイモン・デパルドンの「La France」を見に行ったのだ。
彼のドキュメンタリー・フィルムは「Délits flagrants」「10e chambre」とか「Profils paysans」シリーズとか、かなり好きなのだけれど、写真はちょっと緊張感が足りないというかユルイというか、「やっぱりC・ブレッソンのほうがカッコいいよなー」とつねづね思っていたのです。
が、が、なのです。このエクスポジション、すごーく良かった!
















彼が8×10担いで5年かけてフランス中を撮って歩いたものの集大成。「ここ、知ってる」と思える景色がつぎつぎに展開して、気分はロードムーヴィー。それもちょっとうらぶれた、情けない旅路の。
















どの写真も感動とはほど遠い、どこにでもあるふつうの町の景色ばかり。数年後には無くなりそうな安っぽい商店 、時代遅れの映画館、道路に電線……。このショボさがたまらなく懐かしく、せつない。なにしろ私たちの長年してきた旅が、まったくこんな風だったからねー。星付きレストラン&ホテルで旅するヒトには分かりませーん。
















8×10 使っているわりにはキリッとしない(ソフトな、と言わないと悪いかな?)彼の写真の質が、この温度の低い散文的な表現にぴったり。今のこのフランスを撮れるのは、やっぱりデパルドン、なんですね。

見終わって図書館の外に出たら、影響受けやすい宏爾がすっかりデパルドン気分で1カット。まあ見てやってください。
イヴリーのごみ焼却炉の煙。見えるかな?




















そしてバスで中華街に出て、フォを食べて帰りました。(由)
宏爾の食べたのは、あんかけの堅い焼きそば。

1 件のコメント:

  1. デパルドン気分の1カット!笑いました。すばらしいデパルドン分析に何度もうなずきました。私もHCBの方がかっこいいよねーですが、なるほどぉー見方変えてみるととってもおもしろいですね。ありがとうございます★

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