2011年3月23日水曜日

Libération の地震報道。

地震のあった翌日12日から、ウチで取っている新聞『リベラシオン』も、連日、地震の記事が最大級の扱いをしていました。

12日の朝刊、発生からほぼまる一日経っての紙面は、前日まで大きく取り上げられていたリビア報道を吹き飛ばしてしまった。テレビも地震と津波そして原発 事故報道一色に。初めのうちは、地震の大きさにも関わらず被害も最小限で、日本人は冷静だということだったけれど、津波の被害がわかるにつれて、その恐ろ しさが……。
3月12日。“世界の最期を思う”
















新聞は日曜は休刊なので原発事故が詳しい解説入りで大きく取り上げられたのは月曜になってからです。
14日。恐怖。            15日。死の大地。















『AERA』が「放射能がやってくる」と表紙に書いて非難を浴びたそうだけど、日本では何でほんとのことを書くと叱られるんだろう。
ネットで見ている日本 の地震報道がどうもすっきりしない。
「健康には影響ありません」というばかりの政府首脳の記者会見も、枝のほうの話ばかりで幹がない。それになぜ作業服なんだろ?
16日。核パニック。            17日。生き残る。















いったい今何が起きているのか、この先どうなるのかという情報がよく見えない。、あの20キロ先の原発現場の映像のように、霞がかかっているように感じられるのです。
18日。地獄の中心。逆からは、戦争?















18日のリベは《日本/リビア・ダブル特集》。原発事故を中心にした地震の記事と、天地逆に印刷されたカダフィ側から開くとリビア情勢の記事。それぞれ10ページ。
17日の連合軍による反カダフィ軍事行動を認めた国連安保理事会の決議を受け、地震報道で押しやられていたリビアが一気にリベンジという感じ。
原発事故に関連して、日本のエコロジストはなぜ声を挙げないのか? という特派員報告がある。声を挙げても霞に隠されちゃってるんだろうか。

19日。                  21日。















そして、19日(土)のリベの表紙は地震とカダフィ半々になりリビアへの爆撃が始まって、21日(月)には地震が隅っこに。22日も同様で、日本ではまだまだ大変な状況が続いているのに、23日には表紙から地震が消えました。

というわけで、日本の報道に比べると直裁なフランスの報道も、極端な状況が収まると、とたんにまるで潮が引くようになる。

だいたいチェルノブイリのとき、お隣のスイスもドイツもイタリアもスペインも、それどころかフランス国内にあるモナコまでが、放射能濃度の異常を発表していたのに、フランス政府は(気象庁も)、フランスには放射能は来ていない。健康や環境には何の影響もない。と強弁していた。そのフランスが今回はまっ先に日本在住の自国民を帰国させた。国家ってけっこうあやしいものですね。

それはともかく、リベの表紙にもう再び “FUKUSHIMA” が出てこないで済むように、リスクを承知で復旧作業に取り組んでいる皆さんにお願いするばかりです。(宏)

1 件のコメント:

  1. 恩師さま リベラ師恩アップありがとうございます。その通りだと強くうなずきました。とうとうフランスから救いの手が差しのべられました。アレバさんにはありがたいと素直に感謝できるのだけどリビア情勢がこんな中というのに猿孤児さんがやってきてなぜかアメリカっぽく見えてしまうのは歪んだ見方なのでしょうけれど、ワタシも国家は信頼ならんです。

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