2012年4月1日日曜日

幻想の建築を描いた人マルセル・ストール。

自分で考えた建築物をひたすら描き続けていた無名の素人画家の回顧展が気になっていて、会期末ぎりぎりにメニルモンタンに行きました。
メニルモンタン通りの坂道を上ると、地元のグラフィティ画家ジェローム・メスナジェの大壁画。この辺りにはラクガキゲイジュツが多い。
オレたちメニルモンタンの若もの。
















愉快な絵のあるシテ・ド・レルミタージュのすぐ上が会場の “パヴィヨン・カレ・ド・ボードワン”。18世紀末の館を改装して去年開館したところ。
壊されそうな建物にいろんな絵がある。










館の庭園は公園になっています。




















母親に捨てられ養護施設で育ったというMarcel STORR(1911〜76)は 、市の緑地公園局職員としてブーローニュの森の庭石の補修などをしながら、1930年代から60点余りの絵を遺して死んだ。
教会の塔は次第にゴシック顔負けになっていく。










何か思いつくとその要素で埋め尽くされる。




















最初のころのテーマは、教会とカテドラル、そして天まで上るような塔。鉛筆で下描きをしたカンソンの紙に水彩と黒インクで仕上げている。赤茶色の画面は石のひとつひとつが細密に描き込まれ、建物の上のほうは極端なパースが付けられる。建物のふもとには、その巨大さを強調するように、人や並木、車などが小さく小さく描かれています。
30年代の大聖堂の絵の隅っこです。

地面が水平じゃない絵も多い。





























戦後は仕事柄か、植物建築みたいなものも描いている。
結婚もして幸せになった60年代からは、単体の建築から未来都市の構想に没頭。赤黒かった画面もカラフルになった。
自然との共生なんていう今の建築の風潮の先駆け?










幻想の都市景観は鳥瞰図?です。




















会場に掲げられたマルセルの言葉。『ピカソが何だっていうんだ。あいつはデッサンが描けないじゃないか。』
そして、『パリに原爆が落とされて、アメリカの大統領が来たら、パリを再建するためにボクの絵を見せてやるんだ。』
あ、ここに並べた絵は大きな画面の部分ばかりです。“神は細部に宿る“ からね。(宏)

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